熊年?に因んで
「熊あれこれ」

 2025年(令和7年)の世相を一字で表す「今年の漢字」に「熊」が選ばれた。熊による死傷者が相次いだことや,中国語で「大熊猫」と表記するジャイアントパンダが中国に返還されたことが理由に挙がったようだ。そこで,熊は十二支の動物ではないが,番外として「熊」に因んだあれこれを物色してみた。尚,動植物に関しては観音崎及び周辺地域で見られるものに限定しています。
2025.12.31
 
熊野那智神社
動 物
植 物
熊 手
我が家のグッズ
(余談1) クマのプーサン
(余談2) こぐま座・おおぐま座
(番外) 木星-土星が超大接近
(余談3) ヒグマとツキノワグマ
(余談4) 足柄山の金太郎
番外) 大雄山最乗寺
(余5) クマとの共存を目指して

熊野那智神社
 
 「熊に因んだあれこれ」を思い巡らして,まず最初に思い出したのが「熊野那智神社」。今を去ること約60年前の夏。友人とトヨペット・コロナの中古車で紀伊半島を一周した際,参詣したことがつい昨日のことのように蘇ってきたのだ。

 「熊野」の地名の由来について,筆者は単純に「昔,山野に熊が沢山いたのでは?」と考えていたが,いざ調べてみると諸説紛々で定説はないようだ。その代表的な例をいくつかご紹介したい。
 ・「古事記」によると,神武天皇が大熊に会ったためと言われている。
 ・「クマ」とは神仏への供物のこと。
 ・「クマ」は精米(くましね)に由来しており供米(くまい)の意味。
 ・「クマ」は神の意味で 「クマノ」は神の住む地の意味。
 ・隈(くま)」由来説。これは 「奥まった場所」や「隠れ籠る場所」を意味。
  山深く樹木が鬱蒼とした熊野の地形を表していると考えられる。
 ・「籠る(こもる)」という意味とも関連,死者の霊が籠る場所,神が隠れ籠る場所とも解釈。
 ・「くま」が「熱い」という意味を持ち,地熱や温泉と関連するという説。
  熊野本宮大社があったとされる大斎原(おおゆのはら)の近くには温泉地がある。
 ※フリー百科事典ウィキペディア&AI回答から簡略化して転載。
 以上が「熊野」の地名由来説の一部だが,筆者の説は的外れであったようだ。

 我々が紀伊半島を一周したのは,東名高速道路(346.7km)が開通して愛知県の小牧ICで名神高速道路(189.5km)と結ばれた1968年の夏。当時「紀伊山地の霊場と参詣道」は,世界遺産には登録されておらず,目的は東名・名神を完走して,紀伊半島の海岸部を一周すること。起点の東京ICから小牧ICを経て,名神高速道路終点の西宮ICまでの536.2kmを走破。西宮ICから南下して紀伊半島を反時計回りに一周。約一週間のドライブ旅行。当時,紀伊半島には自動車専用道は皆無。国道も未舗装の部分がほとんどで凸凹の砂利道をガタゴト走り,宿はテントか車内泊。温泉やグルメとは無縁の貧乏旅行だった。

 顧みれば,思い出されるのは楽しかったことよりも,ほとんど苦労したことばかり。 ・1週間の休暇取得。 ・道路沿いのガソリンスタンドの少なさ。 ・河原で野宿,急な大雨で川が増水,大慌てで安全な場所へ避難。 ・国道の舗装工事が随所で行われ一方通行のため長時間待ち。 ・ガードレールのない崖地の道路で対向車線の車とのすれ違い。 ・熊野本宮大社へ向かう途中の山道で側溝に脱輪,参詣を断念したこと等々,枚挙に暇が無い。しかしながら,約60年という歳月がこれらを全て昇華して,楽しかった思い出として蘇ってくるから不思議なものだ。
  

熊野那智神社(現・熊野那智大社)   1968.08
  
  

那智滝
  

那智山青岸渡寺
   

トラブル発生!




動物

 
アライグマ
(洗/浣熊)
 
哺乳綱食肉目  アライグマ科
頭胴長   42~60cm
尾 長   20~41cm
体 重   4~10kg
食性:動植物質・人間の残飯など,多岐にわたる雑食性
名前由来
水辺で前足を使って獲物を探す行動が,
物を洗っているように見えたことから
       

2012.10.24
      

2008.5.11
 


 
クマバチ
蜂)
 
コシブトハナバチ科
体長:20~22mm
見られる時期:4~10月
名前由来
体が大きく,,熊を思わせるような見た目や体色・毛並みから
   

2002.9.3
   

2010.9.14
   


 
クマゼミ
蝉)
 
セミ科
体長:40~48mm
見られる時期:6~8月
鳴き声:シャーシャー
名前由来:体が大きく黒い色が熊を連想させるため
    

2003.8.11
 





植物

 
クマシデ
(熊四手)
 
カバノキ科  落葉高木
樹高約10~15m
名前由来
葉が他のシデ類に比べて大きく硬く花穂が大きいことなど
そのたくましい印象から「熊」が付けられた
実が垂れ下がる様子がしめ縄に下げる紙垂(しで)に似ていることから
 

2002.6.21
 

花  2003.3.28
   

花  2003.3.28
   

果苞  2006.6.21
 

果苞  2006.6.21
 


 
クマノミズキ
(熊野水木)
 
ミズキ科  落葉高木
樹高約8~12m
 
名前由来
三重県熊野地方に自生すると言う事で命名されたが,
実際は広い範囲に分布,近畿以西に多い
観音崎には戦没船員碑近くの園道沿い傾斜地に1本だけ自生?
 
花期がミズキより1~2ヶ月遅い6~7月
葉がミズキは互生だがクマノミズキは対生
  

2018.6.5

2018.6.5
 


 
クマワラビ
(熊蕨)
 
オシダ科
常緑性の多年生草本
  
名前由来
葉柄の根元に黒っぽい膜状の鱗片がたくさん生え
この鱗片がクマの毛のように見えることから
 

2013.6.23
 

出典:フリー百科事典 ウィキペディア
 





熊 手
    
 熊手は枯れ葉を集めたり干し草をかき寄せたり,土を柔らかくしたり平らにならしたりなど,いろいろな用途に使われる農具の一種。現代的な熊手は,歯が鋼鉄,プラスチックなどで作られているが,伝統的な形の熊手は竹製で,歯の部分が長くて扇子のような形で作られている。
 
名前由来
大きな歯の形が熊の手のように見えることから
また,鷲が獲物を鷲掴みにする爪の形にも似ていることから
「福や運を鷲掴みする力がある」ともされ,縁起物になったという説もある
 

伝統的な熊手
縁起物の熊手
 浦賀の(西)叶神社境内には,「酉の市」の発祥といわれている東京都足立区(花畑)大鷲神社<おおとりじんじゃ>の末社が合祀されている。歴史は古く,元鎮守と称し,叶神社が創立された1181年(養和元年)以前に勧請されたと云われている。毎年12月13日に例祭(酉の市)を開催。開運熊手を頒布している。
  
  
  
      
  
   

西叶神社の説明板
   

縁起物の熊手
 

大鷲神社熊手





我が家のグッズ

木彫りの熊


パンダ(大熊猫)のコーヒーカップ・箸置き


子ぐま物語

子ぐま「ボンゴ」
  

ガールフレンド「ルルベル」
   

大熊ラムジョー


ジャングルブック
  

主人公「モーグリー」・豹の「ばぎーら」  
   

モーグリーと熊の「ばる-」





(余談1) くまのプーサン
 
 筆者が撮影して「カタツムリ」のページに掲載したヒダリマキマイマイとニッポンマイマイの写真が「くまのプーさんとなかまたち」という河出書房新社発行の幼児向け雑誌2006年5-6月号の58~59ページに掲載されました。「くまのプーさん」は1926年,原作がイギリスで誕生。約30年後にアニメ化され,今秋,原作デビューから80年を迎える。今では世界中で親しまれ日本でもお馴染みのキャラクターです。

 その記念すべき年に,私の撮ったカタツムリの写真が,プーさんと同じページに掲載されたことは,私にとってはまるで夢のような話です。初版から80年を記念して,全国の高島屋では「CLASSIC POOH COLLECTION」コーナーが開設されているとのこと。三歳になる孫を連れて横浜まで行ってこようかなどと考えています。 
2006.4.7
 
 
 
プーサン・米ハリウッド殿堂入り
 
 ディズニーキャラクターのくまのプーさんが11日,米ハリウッドの殿堂入りした(AP)。今年,生誕80年を迎えたプーさんは,英国の作家ミルンによって生み出され,1966年に初めてディズニー映画に登場した。
2006.4.12

2006.4.12発行 読売新聞夕刊から転載




(余談2) こぐま座・おおぐま座
 筆者が観音崎にほど近い新興住宅地に越してきた半世紀前,我が家に隣接する家はなかった。ポツンと一軒家程ではなかったが,空き地が多く,街灯も蛍光灯で数も少なかった。ベランダから夜空を見上げると満天の星空。天の川が横たわり,北極星のあるこぐま座,北斗七星のあるおおぐま座もクッキリと見えた。東京の夜空とは別世界だった。
 
こぐま座にまつわる神話 切ないストーリー
夜空を彩る星座の多くはギリシャ神話と結びつけられ、こぐま座は、おおぐま座と同じ物語として次のように伝えられています。

森に住む妖精・カリストという美しい娘がいました。
そんなカリストに、空から見ていた大神・ゼウスが恋心を抱き、自分のものにしようとだまして近づきます。そしてカリストはゼウスの子供を身ごもり、ひとりで息子・アルカスを産みました。

すると、そのことがゼウスの妻・ヘラの耳に届いてとても怒り、カリストは呪いをかけられて熊の姿に変えられてしまいました。カリストは仕方なく息子のアルカスと別れ、森の中に身を隠しました。

息子・アルカスは、ほかの親切な人に育てられ、やがて立派な狩人に成長します。あるとき、森の中で獲物を追っていると、熊の姿となった母・カリストに出会いました。
カリストは愛しい息子を抱きしめようと駆け寄ろうとします。ところが、アルカスには、大きな熊が襲ってくるようにしか見えません。まさか熊の姿に変えられた母だとは思いもせず…アルカスは弓をつがえて熊の姿となったカリストを仕留めようと目掛けます。
それを見た大神・ゼウスが慌てて2人を天空へと舞い上げ、アルカスも熊の姿に変えて、星にしてしまいました。

こうして、息子のアルカスはこぐま座に、母のカリストはおおぐま座になったのです。
また、こぐま座もおおぐま座も熊なのに尻尾が長いのは、大神・ゼウスが天空へと舞いあげる時に慌ててしっぽをつかんで投げたせいで伸びてしまった、と言われています。
少し切ないストーリーですが、星座にまつわる神話を知ると、星空の見え方もずいぶんと奥深いものになりそうですね。

※こぐま座とおおぐま座のギリシャ神話は、詳細な部分にはさまざまな説があります。
出典: tenki.jp「こぐま座にまつわる神話 切ないストーリー」
URL:https://tenki.jp/suppl/m_shimofuku/2024/12/18/32548.html
 
(番外) 木星-土星が超接近
  
  この地に越してきてから半世紀が過ぎ。今や隣接空き地には全て家が建ち,街灯もLED灯になり数も増えた。そのため視界も狭くなり,星空も台風一過や雨上り以外は,少し霞みがかったようになってしまった。従って,我が家のベランダからは「こぐま座」も「おおぐま座」も今では見ることができない。しかしながら,月は勿論,金星や木星・土星などの表面輝度が高かったり,大きな惑星は角度によっては見ることができる。

 2020年12月21日(月)ウェザーニュースで,日没後,木星と土星の2つの惑星が397年ぶりに「超大接近」するとの耳寄りな詳しい情報を見て,この方向・角度なら我が家のベランダから,この天体ショーが見ることができると直感した。横須賀市の日没時刻は16時33分, その一時間後の17時33分頃,超大接近するらしい。この日は快晴でたまたま冬至。ベランダで壮大な天体ショーを観察・撮影後,冷えた体をゆず風呂に入り温め,熱燗で一杯やるか?虫のいいことを考えながら,17時30分頃からベランダで待機することにした。

 我が家の南西方向には幅5mの道路が有り,我が家より一段高いところに二軒の家が並んで建っているが,密接していないのでそれなりの空間がある。どうやらその谷間辺りに落ちると思われる。待つことしばし,二つの大きな惑星が,徐々に接近するのが肉眼でもわかる。木星-土星が衝突するのでは?と思われる17時52分に撮影した画像を後で見ると,肉眼ではボンヤリ見える家や庭木は写っておらず,真の闇。ところが拡大して見ると,二つの星にはそれぞれ模様のようなものが写っていた。

 オレンジ色の土星の横線は輪?白い木星の模様は庭木の枝先のように見える。画像をあれこれ加工してみたが,正体はわからない。そこで本サイトを作成しているホームページ・ビルダーで,挿入する画像の明るさや色合いなどを自動調整するウィザードで補正したところ劇的な変化が起こった。真の闇の部分に,ボンヤリだが家や庭木が写っている。木星の模様は明らかに庭木の枝先,土星の輪?と思われた横線は,ベランダの前を横切る電線ケーブルのようだ。土星の輪が電線に化けてしまったのは残念至極だが,補正後の画像が水彩画か油彩画のように美しく見えるのは欲目というものだろうか?
  

出典:「ウエザーニュース」
   

2020.12.21 17:39
  

2020.12.21 17:52
   

画像補正後





(余談3) ヒグマとツキノワグマ


 日本には2種類のクマが棲んでいます。北海道にはヒグマ,千葉県を除く本州と四国にはツキノワグマ。九州にもツキノワグマが棲んでいましたが,森林伐採による生息地の消失と過度な狩猟が原因で2012年(平成24年)に絶滅しました。特に,クマの餌となる広葉樹林が人工林に置き換えられたことが大きく影響していたようです。

 2025年(令和7年)の世相を一字で表す「今年の漢字」に「熊」が選ばれたことが象徴するように,年を越えて大寒を過ぎた冬眠時期の今も,クマの出没が目撃されています。特に北東北と呼ばれる秋田・青森・岩手での目撃例が多いようです。クマたちの世界に何が起こっているのでしょう? 


クマ(熊)
哺乳綱食肉目
クマ科クマ属
(エゾ)ヒグマ
(羆)
<緋熊・樋熊>
ツキノワグマ
(月輪熊)
和名由来 羆を「四」と「熊」に分解して
古くは「シクマ」→「シグマ」
大正以降「ヒグマ}に変化
胸部に三日月形
白い模様
保全状況評価 LC:低危険種 VU:絶滅危惧Ⅱ類
体長 (♂)200-280cm
(♀)180-220cm
120-180cm
体重 (♂)250-500kg
(♀)100-300kg
(♂)50-120kg
(♀)40- 70kg
見た目 濃い茶色・肩が盛り上がる 黒い毛並み
習性 好奇心強く・肉食のイメージが強いが季節ごとに利用しやすい食べ物を
大量に摂取する雑食性
臆病・植物食中心の雑食性だが
初夏には肉食傾向が強まることもある
走行最高時速 40~60km 40km
分布 北海道 千葉県を除く本州・四国
九州は絶滅
生息個体数 11,700頭(中央値)
2023年度(R5年度)
10,000頭~42,000頭以上
2023年度(R5年度)
生態 針葉樹林中心の森林地帯&原野
主に昼行性だが夜行することも
森林地帯
主に昼行性だが夜行することも
遭遇リスク 大型で危険度が高い
人身被害も発生
基本臆病だが
市街地出没でリスク増・木登りが得意
記事 日本列島最大の陸棲哺乳類 蹠行(せきこう/しょこう):ヒトと同じ
踵を含む足の裏全体を使って歩行
画像出典:
「どうぶつのこと。」
参考文献:フリー百科事典ウィキペディア・Yanoo!AIアシスタント
画像出典:「どうぶつのこと。」
URL: https://pandanocoto.com/article/contents/bears
 筆者が住む三浦半島や浦賀水道を挟んだ対岸の房総半島にクマは棲んでいません。しかしながら,里山周辺の住宅地に止まらず,市街地のスーパーなどにクマが侵入したとの報道を目にすると,とても他人事とは思われません。クマには無縁と思われる地に住んでいる人間でも,登山・ハイキング・渓流釣り・キャンプ・観光等々,クマの棲む領域へ出かけることは多々あります。自分自身の安全と出先の地元の人達にご迷惑をかけないためにも,クマに関する必要最低限の知識とマナーを知っておきたいと,Yahoo!のAI回答などを参考にまとめてみました。
尚,下記事項のクマはツキノワグマを対象としています。
    
クマが人を襲う主な原因
1. 予期せぬ遭遇による驚きと恐怖
 クマは基本的に臆病な動物であり,人を避けて生活しています。しかし,人里近くのやぶの中や見通しの悪い場所などで,人が突然クマと接近すると,クマは驚き,恐怖を感じます。この驚きと恐怖がパニックにつながり,反射的に攻撃を選んでしまうことがあります。これは「相手を排除しよう」という明確な意思ではなく,本能的な防衛反応と言えるでしょう。
 
2. 食料を求めて人里に出没
 クマの主食であるブナやミズナラなどの木の実(ドングリ)が不作の年(凶作の年)は,山に食料が不足するため,クマは食べ物を求めて人里に降りてくることが増えます。冬眠前に十分な栄養を蓄えられないと,若いクマや行動的なオスグマが人里に出てくるケースが多いとされています。このような状況で,民家の柿や畑のトウモロコシなどを狙って人里に出没したクマと遭遇することで,人身被害が発生しやすくなります。
 
3. 環境の変化と個体数の増加
 近年,クマの生息域が拡大し,個体数も増加していると指摘されています。また,かつて人里と山の緩衝地帯となっていた里山が,住民の高齢化や過疎化,薪の需要の減少などにより管理されなくなり,荒廃しています。これにより,クマの生息地と人間の生活圏が隣接するようになり,クマが人里に頻繁に出没する原因となっています。さらに,人間がクマに与えるプレッシャーが減少したことで,「人間は怖い」という学習機会が失われている点も指摘されています。
  
遭遇を避けるための準備・行動
1. 出没情報の確認
 出発前に自治体の最新のクマ出没情報を確認し,危険な場所には近づかないようにしよう。クマの行動が活発になる朝夕や霧が出ている時の行動は避けましょう。
 
2.音で存在を知らせよう
 クマは臆病な動物なので,人の気配を察すると自ら離れていくことが多いようです。クマ鈴やラジオなどで音を出し,自分の存在を知らせましょう。見通しの悪い場所では,手を叩いたり,大声を出したりするのも効果的です。
 
3. 複数人で行動しよう 
 できるだけ一人での行動は避け,二人以上で行動することを心がけよう。
 
4. クマ撃退スプレーの携行
 万が一の遭遇に備え,クマ撃退スプレーを携行することも有効です。購入したら使用方法の練習をしておくと良いでしょう。クマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高まります。
 
5. 子グマを見かけても近づかない
 可愛い子グマを見かけても,絶対に近づいてはいけません。近くには必ず母グマがいて,子グマを守るために攻撃してくる可能性が高いのです。速やかにその場を離れるようにしましょう。
  
遭遇・攻撃された場合の対処法
 昔,「クマに出会ったら死んだふりをしなさい」と教えられた記憶があるが,現在ではこれは俗説で一般的に推奨されない対処法とされているようです。対処法について,ネット上にはYahoo!のAI回答他にも色々なサイトにあれこれ紹介されていますが,筆者自身,野生のクマに遭遇・攻撃された経験もなく,知識も乏しいため絶対これなら大丈夫と思われる対処法をご紹介することができません。「クマに遭遇して攻撃された場合の対処法」をキーワードにウエブ検索して,ご自身でご確認下さい。
   
クマ対策:私たちが守るべきマナー
 山の中に食べ残しや生ごみを捨てないようにしましょう。クマが人間の食べ物の味を覚え,人里に近づく原因となることがあります。キャンプの際は,食料をクマが取れない場所に保管することが重要です。一見,おとないそうに見える親子連れのクマにであっても,餌やりや接近しすぎることは厳禁です。

出典:観光庁「観光ピクトグラム」





(余談4) 足柄山の金太郎
 
金太郎像
 
 2006年(H18)6月,箱根仙石原の保養所へ行く途中,寄り道して足柄市にある開基600年の歴史を持つ曹洞宗の古刹「大雄山最乗寺」へ参詣した。小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線の電気機関車に牽引された列車に乗って,最寄り駅の大雄山駅へ。下車後,バスに乗り換えるため駅舎を出ると大きなクマにまたがったブロンズ製の金太郎像が目に入った。背後に設置された大看板を見ると大雄山駅は最乗寺のみならず,足柄山登山口への最寄り駅でもあるようだ。

 これは本頁を作成する過程で知ったことだが,登山ルートは「足柄峠・金時山コース」「金太郎コース」の二つがあり,いずれのルートも最終的には金太郎が住んでいたと言われる金時山を経てどちらも約4時間前後で箱根仙石原にゴールすることになるという。参詣後,筆者と家内は小田原駅まで戻り,箱根登山電車で強羅駅,更にバスで仙石原まで行き,その上,バス停から歩いて保養所へ向かった。電車・バスの乗り継ぎ待時間を含めると,所要時間は4時間程度はかかったような気がする。何とも皮肉な話だ。20年前なら4時間程度は歩いた方が良かったと悔やんでみたが,後の祭と言うものだろう。
   

出典:南足柄市・公式サイト
    
 
金太郎の歌
 
 金太郎像を眺めながら, 思わず口ずさんだ歌がある。ご存知「幼年唱歌・金太郎」。お若い方はご存知ないかも知れないが,現在60代~90代位の方ならば,100%の人が知っていると言っても過言ではない。筆者は最近,ボケが進んだのか?昨日のことも忘れていることが多くなった。ところが,幼年期に憶えた三太郎の「金太郎」「浦島太郎」「桃太郎」や「うさぎとかめ」等はいまでも歌詞を鮮明に覚えているから不思議なものだ,但し,一番だけで,二番目以降は怪しくなるのがご愛敬。
幼年唱歌 『金太郎』 作詞・石原和三郎
まさかり かついで  金太郎
くまに またがり  お馬のけいこ
はいし どうどう はいどうどう
はいし どうどう はいどうどう
 
足柄山にクマはいるのか?
 
 駅前看板には「金太郎のふる里足柄山」とあるが,古くから親しまれているこの呼称は,特定の峰を示すものではなく,神奈川県と静岡県の境にあたる「足柄峠」付近一帯の山地を指している。金太郎伝説の山は,箱根外輪山の最高峰で1,212メートルを誇る「金時山」。その頂上には「金時茶屋」という山小屋があり,金時娘という看板娘がいて,全国的に有名になった事がある。山頂には南足柄市がライブカメラを設置・公開しているので,気分転換にサイトへアクセスして霊峰富士を眺めるのもお勧めです。尚,右端下に写っている建物が金時茶屋です。
 

出典:南足柄市「金太郎茶屋ライブカメラ」 2025.1.26/10:11
URL:https://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/kankou/livecamera//mt-kintoki.html
 
 この箱根・金時山に今クマはいるのだろうか?答えはイエスのようだ。正確には昭和初期の森林伐採や狩猟の解禁の影響などから1945年(昭和20年)にはすでに絶滅したとされていたが,2017年になって箱根旧街道「畑宿」近くで確認された」というのが正しい。その貴重な“発見者”でもある,玉川大学農学部環境農学科の關(せき)義和教授によれば, 「箱根全域に恒常的に生息している可能性は十分あると言えます。2025年は目撃情報がないようですが,前年まではコンスタントに目撃されていますし,伊豆半島の方でも最近見つかったりしています。分布をさらに南下させているのかなという気はしていますね」……出典:dmenuニュース

 今のところ,目撃例は少ないようなので,いたずらに恐れる心配はなさそうだが,油断大敵,ある程度の心構えと備えはして登る必要はありそうです。
   
 
夕日の滝
 
 2001年(H13)2月,小田原市にある曽我梅林の「梅まつり」を見物に行った。渋滞を心配して朝早く出かけたが,渋滞はゼロ,スムースに行きすぎて午前7時頃には現地に到着。あまりに早すぎて行事はまだ行われておらず,見物人はゼロ。8時頃には見物終了。行事開始まではまだ1時間以上あるようだ。時間をもてあまし,家内と思案していると,通りがかった地元の方が「ここから1時間ほどのところに,夕日の滝という,金太郎が産湯をつかったと伝えらる滝があるので,そこへ行ってみたら」と教えてくれた。
  
    
 お言葉に従い,簡単な道順を教えていただいて夕日の滝へ行くことにした。走り出して40分くらい過ぎた頃,周辺の景色が大きく変化しているのに気づいた。山間部にあると聞いてはいたが,曽我梅林は平地で雪など少しも積もっていなかったのに,夕日の滝が近づくに連れ雪景色に変わっていった。今,改めてGoogleマップで見てみると,私たちが走ってきた道は日本の山岳古道120選に選ばれている足柄古道,夕日の滝は足柄山地の山中の谷間にあった。
    
 
   
  
 「金時山」「夕日の滝」と書かれた道標に気づき左折。しばらくして駐車場に車を止め地面に降り立つと道路は真っ白,10cmほどの雪が積もっていた。踏み固められた雪道は滑りやすい,ヨチヨチ歩きで夕日の滝に辿り着いたが,たまたま水量が少なく期待外れの感あり。しかしながら,周辺の日本の原風景のような雪景色は素晴らしかった。幸いこの日は雪も降らず,暖地育ちの家内と筆者は,大雪に悩まされている雪国の方々には申し訳ないが,思いがけない雪景色のプレゼントに,大満足して帰途についた。
   
     
  
  
  
 
(番外)大雄山最乗寺
 
 大雄山駅へ行ったのは,元はと言えば,開基600年の歴史を持つ曹洞宗の古刹「大雄山最乗寺」へ参詣するためであった。たまたま駅前に設置されていた金太郎像がきっかけで,主役の座を金太郎に譲ってしまったが,最乗寺を忘れるわけにはいかない。しかしながら,最乗寺は金時山の近くにあると言うだけで,クマにも金太郎とも無縁の寺である。そこで,古刹には恐れ多いことだが(番外)として掲載させて頂くことをご勘弁頂きたい。

 寺の公式サイトによれば「大雄山最乗寺は,曹洞宗に属し全国に4000余りの門流をもつ寺である。御本尊は 釈迦牟尼仏,脇侍仏として文殊,普賢の両菩薩を奉安し,日夜国土安穏万民富楽を祈ると共に,真人打出の修行専門道場である。開創以来600年の歴史をもつ関東の霊場として知られ,境内山林130町歩,老杉茂り霊気は満山に漲り,堂塔は30余棟に及ぶ。」とある。境内に入り先ず目につくのが,手入れの行き届いた老木茂る杉林。靄がかかった境内には結界門・御真殿・多宝塔などが散在,幽玄な雰囲気を醸し出していました。 
 
 

結界門
  

御真殿と高下駄
  

多宝塔
  

道了尊天狗化身像
  

大天狗
   

ユキノシタが雪のように咲いていました





(余談5)クマ等の野生鳥獣との共存を目指して
      
国の「クマ対策予算(案)」
  
 2026年1月23日讀賣新聞・夕刊に,環境省の令和8年度予算(案)に関する記事が載っていた。それによれば「令和7年度はクマによる人身被害が過去最悪となり,春以降は冬眠明けのクマの出没が懸念される。環境省は被害防止に向け,緊急銃猟の実施や個体調査などの費用として新年度予算案に過去最大の62億円を盛り込んだ。」とあった。

 早速,「環境省 令和8年度予算(案)主要施策について」をキーワードにウエブ検索したところ,その25頁にクマ対策62億円の内訳が表示されていた。緊急銃猟実施の為の予算が52億円で全体の84%,個体調査などは10億円で16%とあった。昨年末から年初にかけてのクマ出没騒動を考えれば,タイムリーな予算と納得ゆくが,緊急銃猟捕獲がメインとガバメントハンターの配置では,いささか長期的展望に欠ける感がある。
     
環境省「クマ対策・予算(案)
   

出典:環境省・令和8年度予算(案) 主要施策についての25頁
       
環境省「クマ対策・予算(案)62億円」の内訳は下記の通り。

①交付金事業(緊急銃猟捕獲,ガバメントハンターの配置等)…52億円
・ガバメントハンター人件費   ・狩猟団体等への委託費   ・人材育成のための研修費  
・緩衝帯整備費   ・誘引物の撤去費   ・ICTを活用した出没対策費  
・クマ対策関連資機材(はこわな,電気柵,クマスプレー,安全装備等)購入費 等

②国による調査研究等※太字は新規・拡充して対応予定事項…5億円
・生息状況調査及び個体数推定   ・科学的な個体数管理に関する技術 研究・開発
・捕獲技術者等の養成   ・広域管理の考え方の整理
・出没対応訓練の実施 ・個体数が少ない四国個体群の保全

③国立公園における対策…5億円
・クマ出没時の対応体制構築,マニュアル策定 ・利用者向けの情報発信,地域関係者向けの研修会実施
・野営場における電気柵,フードロッカーの設置  ・クマスプレー等の貸出
 
環境省のクマ対策関係資料
環境省 政府によるクマ被害対策 支援メニュー一覧(令和8年1月時点版)
環境省自然環境局 クマ類の出没対応マニュアル
       
     
農林水産省「クマ対策・予算」
   

出典:鳥獣被害防止対策とジビエ利用の推進 令和8年度予算 の84頁
 
農林水産省の「鳥獣被害防止対策とジビエ利用の推進予算概算決定額」9,982百万円」の内訳は下記の通り。
1.鳥獣被害防止総合対策交付金…9,900百万円
2.シカ等による森林被害緊急対策事業…82百万円

 事業内容・事業イメージを見ると,事業対象はシカ・イノシシが主体で,クマ対策の取組に関する予算は,金額は不明だが,微々たるものと思われる。支援策としては,①クマ捕獲の強化 ②クマ撃退スプレー ③対クマ電気柵補強 ④強固な侵入防止策 とあるだけで,環境省の予算(案)同様,長期的展望に欠ける感は否めない。
農林水産省のクマ対策関係資料
農林水産省農村振興局 国産ジビエ認証制度
国産ジビエ認証機構 国産ジビエ認証機関・認証施設(認証事業者)一覧他
 
クマ出没地域の現状
     
 筆者がほぼ毎週視聴しているTVのバラエティ番組が二つある
 
一つはテレビ朝日の「ポツンと一軒家」
 
その多くがスギやヒノキなどの針葉樹林に囲まれた交通不便な山間地にあり,隣家は1km~3km位離れているのはざら。住人は1~3人位で年齢は70代~90代。かって周辺は5軒~20軒位の集落であったものが,不便さのあまり麓へ下りる人が続出。その建屋は廃屋となり,田地田畑と共に竹林や樹林に埋もれ,結果的に一軒家となったと言う。そこに住む理由としては①ご先祖が平家などの落武者の末裔。 ②第二次世界大戦後,国策として行われた戦後開拓農家の子孫のケースが多い。一軒家へ通う道は険しい,狭い曲がりくねった林道か私道を走る途中には,下の画像のような道路標識が目につく。
    
倒木注意! 落石注意! 熊出没注意!
   
もう一つはテレビ東京の「ナゼそこ?」
 
家は平地の外縁部から山間地にかけての中山間地域にあり,中小河川流域に沿った階段状の河岸段丘にあることが多い。公共交通機関の空白地域で秘境と呼ばれることもある。家屋数は20~30軒位はあるものの,人が住んでいるのは1~5軒位,あとは廃屋。住人は1~10人位で,ほとんどが70~90代の高齢者のため消滅寸前の限界集落。ご先祖の生業は稲作・畑作・畜産・養蚕・炭焼等々。林業従事者や鉱山労働者もいたが,林業は廃れ,鉱山は廃鉱となりこの地を去ったものも多いという。

 尚,林業に関しては,近年,木造建築の良さが再評価され,大阪・関西万博のシンボル「大屋根(リング)が,世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定されたことは記憶に新しい。最近見た番組で,大型重機が活躍する工事現場を見たことがあるが,林業のオートメーション化が進み,再興することを期待したい。
 

出典:農林水産省「中山間地域等について」
  
 両番組に登場する中山間地住民の悩みはほぼ共通している。①自身の高齢化と後継者難。子弟はいても,高校・大学進学を機に都会へ出て,卒業後も都会に止まり就職・結婚して戻ってこないケースが多い。 ②医療施設・介護施設やスーパーなどが近くになく不便。そこまで行くには車でも往復1~3時間かかることもざら。公共交通機関が撤退して,車は高齢になっても免許返上できない必需品。 ③クマ・イノシシ・シカ・サル等の野生動物による農作物や果樹の被害が増えている。

 野生動物の人里への侵入は,集落の過疎化に反比例して増加しているようだ。特にクマは顕著で,かって集落に老若男女多くの人々が住み,活気に溢れていた頃は,本来臆病なクマはほとんど人里に姿を現すことはなかった。ところが近年,過疎化が進み空き家や放置果樹林・田畑が増えるに従い,人の気配をあまり感じなくなった集落へ,山地のドングリなどの不作も重なって頻繁に侵入するようになったと言う。

 対策としては,住居・鶏舎や果樹林・田畑の周囲に防護柵や電気柵設置が有効だが,相応の費用が発生するため国や自治体の援助が望まれる。その為にも,前述の環境省・農林水産省の令和8年度予算(案)は満額獲得して活用されることが望まれる。しかしながら,仮にこの予算(案)が満額認められたろしても,今年度の「クマ対策(案)」は一時的なものに過ぎない。より恒久的な対策が求められる。 
「ポツンと一軒家」
朝日放送テレビ
テレビ朝日系列
毎週日曜日
19:54~20:56
日本各地の人里離れた場所に,なぜだかポツンと存在する一軒家。そこには,どんな人物が。どんな理由で暮らしているのか!?衛星写真だけを手がかりに,その地へと赴き,地元の方々からの情報を元に,一軒家の実態を徹底調査しながら,人里離れた場所にいる人物の人生にも迫っていく。1枚の衛星写真から,どのような人がどんな暮らしをしているのかに思いを巡らせるのは,MCの所ジョージとパネラーの林修。
「ナゼそこ?」
テレビ東京系列
毎週木曜日
20:58~21:54
世の中の「ナゼそこ?」と思える場所に急行し,日本の不思議を新発見!山奥の秘境を突撃取材…ナゼこんなところに住んでいるの?と思う人物の意外な人生ドラマから,都会の見落としがちな身近な謎まで,スタッフが地道に大調査する番組。
 

恒久的な野生動物対策
   
 環境省&農林水産省のクマ対策(案)について,両省の予算を「長期的展望に欠けた一時的な対策に過ぎず,より恒久的な対策が求められる。」と記したが,真意は次の通り。

 両省予算(案)の事業内容を,クマ等の野生動物出没による被害を最小限に止めるための防衛的な手段に過ぎないのでは?と漠然と感じていたのは事実。しかしながら,すぐにはこれといった具体策は思い浮かばない。そんな時,2026.2.5発行・讀賣新聞夕刊5面の「クマの冬眠 生存戦略の宝庫」に掲載された野生動物医学の権威・北大の坪田敏男教授の訴える記事を拝見。我が意を得たりと感じたのでここに,ご紹介させていただきます。

 「クマを駆除するだけでは問題は解決しない。人が暮らすエリアのやぶを払い放置された果樹を伐採するほか,生息地を保全してクマが山の中で生活を完結させられる対策を進める必要がある」
  

出典:島根県中山間フェア2024「inい~なん」ポスターからトリミング
  
 「生息地を保全してクマが山の中で生活を完結させられる対策」とは一体どのような方法なのだろう?あれこれネット検索して,それらしき活動をしている二つの団体に辿り着いた。

一つは.「C.W.ニコル・アファンの森財団」 
 英国・ウェールズ生まれで,1995年日本に帰化した作家・ナチュラリスト・環境保護活動家の故.C.W.ニコル・アファンが創設した財団。その活動内容は,放置された里山の再生活動を基本に,保全・管理することで,その地域本来の様々な野生生物が生息できる森に再生することを目指すと同時に,その多様性溢れる森で,子ども達の未来の心,人の心も育む活動を行っています。

 甦ったこの豊かな森が,少しずつ広がっていきながらずっと維持されていくことで,「森は甦る!」というアファンの森からのメッセージが日本中に広く伝わり,たくさんある荒れ果てた森を生き返らせ,森と人とが共生できる世の中にしていきたいと考えています。・・・財団のWebサイトから転載


もう一つは「NPO法人ピッキオ」
 野生のクマが将来にわたって生きていける環境を残し,ヒトとクマが共に生きる未来をつくることを私たちピッキオはめざしています。時に深刻な軋轢を生じさせるクマとの共存は,簡単なことではありませんが,行政・住民・専門家が協力して対策を講じれば,被害を減らし,ヒトとクマがお互いの存在を許容して生きていけると,私たちは知っています。なぜなら,軽井沢で年間100件を超えることもあったクマによるゴミ荒らしが,努力の結果,今ではほとんど起こらなくなっているからです。しかし,気を抜けば,またかつての状態に戻ってしまいます。現状の対策を維持しつつ,クマの知られざる生態の解明や,将来を見据えた人材育成を行うことで,持続可能なクマ保護管理を行いたいと考えています。

 ピッキオでクマ保護管理に従事するのは,生態学を学び,クマを熟知した専門家です。クマとの向き合い方について,さまざまな意見がある中で,ピッキオは調査データを元に,被害を防ぐための具体的な処方箋を示します。・・・ピッキオのWebサイトから転載
 
一般財団法人
 C.W.ニコル・アファンの森財団
作家・ナチュラリスト・環境保護活動家のC.W.ニコル・アファンが創設した,長野県黒姫を中心に,里山の再生活動を基本に活動。財団の活動は創設者・.C.W.ニコル・アファンが2020年に死去した今も,遺志を継いだ人々により現在も活動中です。
NPO法人ピッキオ ピッキオとはイタリア語で「キツツキ」のこと。
長野県軽井沢町で ①人とクマとの共存をめざして「ツキノワグマの保護管理事業」 ②森の生き物との出会いを楽しむ「ネイチャーツアー事業」に取り組んでいる専門家集団です。2つの事業が一体となっていることで,より持続的に森を守る仕組みを作り上げています。
   
 二つの団体のWebサイトを拝見すると,北大の坪田教授が訴えている「生息地を保全してクマが山の中で生活を完結させられる対策」を実践しているように思われる。それに比べて「環境省の令和8年度予算(案)」はそれなりに納得ゆくが,「農林水産省の鳥獣被害防止対策とジビエ利用の推進令和8年度予算」はあまりにもお粗末すぎる。農林水産省は一体何を考えているのだろう?
  
林野庁・森林整備事業<公共>令和8年度予算
   
 林業の再生なくして森林の再生は望めない筈!そこで閃いたのが農林水産省の外局「林野庁」の存在。外局は省と連携しつつも,特定の行政事務において独立性の高い組織。森林事業に関しては林野庁が独立して予算要求しているのかも? 早速「林野庁令和8年度森林事業予算要求」をキーワードにネット検索したところ,「森林整備事業<公共>令和8年度予算概算要求額148,543百万円」がヒットした。その中味は,林業の再生・森林の再生の観点から見れば,それなりに評価できる内容だったが,クマ・シカ等の野生鳥獣被害対策を踏まえたものとは言いがたかった。
 

出典:林野庁 森林整備事業<公共> 令和8年度予算概算要求額
 概算要求額の内容に物足りなさを感じながらネット検索を続けていると「森林整備事業<公共>令和8年度予算概算決定額127,133百万円」とあるのを見つけた。決定額は要求額から21,410百万円減額されている。<対策のポイント><事業内容>の大綱はほぼ同じものの,<対策のポイント>には「クマ・シカ等対策」「間伐,主伐後の再造林,幹線 となる林道の開設・改良等」 <事業内容>の2-③項には「クマ類を始めとする野生鳥獣の人身被害対策として,生息環境整備のための広葉樹林化や林縁部における緩衝林帯の整備等を支援します。」との文言が追加挿入されていた。おそらく財務省との交渉過程で追加挿入されることになったと思われるが,これらの対策・事業が明文化されたことは結構な話で,国会審議で承認されることが期待される。この追加・挿入された文言が,クマによる人身被害が顕著だった今年限りの「付け焼き刃」に終わらないことを祈りたい。

 日本の森林面積は国土の約2/3を占めているが,これらの森林は,TVの「ポツンと一軒家」や「ナゼそこ?」に見るように,その多くが放棄林となり荒廃。また,林業が衰退することによって中山間地域の住民が都市部に流出,限界集落や消滅集落が数多く出現しているのが現状。本予算が活用されて,各都道府県に「C.W.ニコル・アファンの森財団」と「NPO法人ピッキオ」をミックスしたような組織が設置され,そこを拠点に「クマ・シカ等,野生鳥獣類の生息地を保全して,山の中で生活を完結させられる対策」事業が推進されると共に,森林整備事業の伸展に伴い,中山間地域での雇用が増大,限界集落・消滅集落が蘇り,地域が再活性化することを期待したい。魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)して貴重な予算が食い荒らされないようご用心!ご用心!
  

出典:林野庁 森林整備事業<公共> 令和8年度予算概算決定額

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ジビエ
   
 
捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況
https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/attach/pdf/suishin-303.pdf
九州の熊が絶滅した理由


・捕獲した個体のジビエ利用・処分を進めたい! ・ジビエ利用、焼却及び減容化処分、埋設処分の支援
 ジビエ処理加工施設名簿 602   取扱獣種:クマ 北海道30 青森1 秋田2 山形1 長野2 新潟2
 国産ジビエ認証制度     32   取扱獣種:クマ 0

鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況(令和8年1月)6頁 
令和6年度に野生鳥獣の食肉処理を行った処理加工施設は全国で826施設
 
ジビエ処理加工施設名簿(令和7年4月1日現在) 602施設